小品盆栽
Miniature Bonsai

盆栽三昧
日々是好日(是好)
◎小品盆栽とは
片手で持てる程度の大きさで、樹高がおおよそ20cmまでの盆栽を小品盆栽と言います。サイズによって、小もの(小物)盆栽、掌上(手のひら、手のリ)盆栽、ミニ盆栽、豆盆栽、極小(指頭)盆栽など、昔々から様々な呼び方があります。1960~70年代にかけて流行期がありましたが、近年、SNS、YouTubeなどでもよく見かけるようになり、多くの人々が関心を寄せています。小品盆栽の樹種は多岐にわたり、草花に至るまで、挿し木や実生(種まき)、とり木などで増やしたものが素材になります。場所に合わせて手軽に楽しめるため、盆栽の会で分けてもらったり、工夫次第では費用もさほどかかりません。植物を愛する皆様、この機会に掌上の自然を愛でる楽しさに触れてみませんか。
三寸の盆栽に表わす
天地自然の姿(是好)
◎小品盆栽の特徴
(1)置場所が少なくて良いです。畳一枚あればかなり沢山の鉢数を培養できます。(2)屋根、物干し、バルコニー、窓先など、少し工夫すれば置き場所にできます。(3)小さいので取り扱いが便利、移動が容易です。下駄箱の上や、テレビの上などにも飾れます(室内に置く場合は、2、3日で外に出して下さい)。(4)植替えも容易、大品に比べて簡単にできて、用土の量も少なくてすみます。(5)手入れが容易。整枝、芽摘み、消毒、施肥など時間が少なくてすみ、室内でもできます。(6)種樹が安価。高級品や高級鉢を除けば安価で、実生、挿し木、取り木も簡単にできます。(7)飾りの楽しみ、多数飾りで景色(席飾り)ができます。(「日本小品盆栽協会 小品盆栽のすすめ」より一部変更)
◎小品盆栽の仕立て方
(1)灌水:先ず枯らさないこと、管理上一番大切な作業。用士が少ないので、夏は1日3 回、春秋は2回位が目安。冬も乾いたら遣ります。(2)植替:松類は4、5年、雑木類は2年に1度、花物実物は毎年が植替えの目安。時期は、春の芽出しの少し前が原則(東京では春の彼岸後が目安)。キンズ等の暖地性の樹は、少し暖かくなってから。長寿梅やボケ類は、秋の彼岸頃が良い。春早くに花が咲き実を楽しむ樹種も秋の植替えが良く、この場合は冬に凍らない程度の冬囲いが必要。(3)用土:赤玉土8、桐生砂2。松類は砂をやや多く、1〜3ミリ程度の粒土を混ぜて使用。(4)施肥:植換え後20日位経てから油粕の玉肥か市販の肥料を。植替えていない場合は、春4月頃から。(5)整枝:樹によって違いがありますが、ハサミ作りで仕上げた方が良い。葉物は伸びてきたら2節残して摘みましょう。(「日本小品盆栽協会 小品盆栽のすすめ」より一部変更)
各支部の紹介
5つの支部、個人会員
各地の支部では、支部ごとの様々な活動を通して、盆栽愛好家同士の交流や技術向上を図っています。教室や勉強会で知識や技術を学んだり、交換会で素材や道具を手に入れたり、盆栽園で素材を探したり、展示会で成果を発表したりと、交流も盛んです。特に、ベテラン愛好家や名人のアドバイスを受けられる機会は、初心者の方にとっては心強く、上達への近道です。樹や草、鉢や石、道具や飾りへの理解を深めながら、着実に技術を磨いていきます。
協会の活動
活動にご興味をお持ちの方は、お問い合わせよりご連絡ください。



全国小品盆栽名品展
2026年1月に第52回展を上野グリーンクラブで開催予定です。
交換大会の開催
上野グリーンクラブで開催します。2025年は4月と10月の予定です。
会報の発行
会報『小品盆栽』を2020年(94号)まで発行。95号を予定しています。

日本小品盆栽協会の沿革(編集中)
◎日本小品盆栽協会
小品盆栽を愛する人々が集い、その普及と盆栽界の向上発展に尽力するとともに、会員相互の交流と親睦を図ることを目的として活動しています。日本小品盆栽協会は、1962年に東京アマチュア小品盆栽会として発足。1969年には中村是好氏が会長に就き、日本小品盆栽会と名称を改めます。1971年には新宿伊勢丹にて第1回全国小品盆栽名品展を開催し、2025年には記念すべき第51回展を迎えるに至っています。1977年に日本小品盆栽協会としてからは、各支部が中心に、展示会、研究会、交換会、会誌の発行など多彩な活動を展開し、今日まで多くの著名な愛好家や名人を輩出してきました。手のひらサイズから指先サイズの盆栽を愛好する会員も多く、日本国内(世界でも)有数のミニ盆栽を大切にする協会として知られています。